起立性調節障害の娘が元気になるまで♡

小学6年生で起立性調節障害になった娘、元気になるまでの記録です。

「起きなさい」とは言わないでー起立性調節障害の朝

「起きなさい」

この言葉を何度も言われたり、言ったりする毎日―

それが、起立性調節障害とともに生きる家族の現実かもしれません。

保護者にとっては、「学校へ行かせないと」「生活リズムを整えさせなければ」という思いで、必死に取り組んでいる最優先事項でしょう。

私もかつてはそうでした。

小学6年生で娘が診断されてから、毎日必死に起こしていました。

けれど、ある時から「起きなさい」と言うのをやめました。

寝ることを優先した診療方針

元々真面目で心配症の娘、不安からぐっすり眠れないことが多く、中学2年生の時に不安を和らげる薬と眠りやすくする薬を処方してもらいました。

そして「まずはしっかり寝ることに注力してみてください」と言われたのです。

最初は戸惑いました。

家族も「本当に起こさなくていいのか?」と不審がり、学校にも状況を説明しておきました。
結果として、朝起きる時間はさらに遅くなりましたが、やがてぐっすり眠れるようになり、娘にも「まあいいか」と思える心の余裕が生まれました。

理に起こすことのリスク

中学3年生の時、主治医の先生が言った言葉でハッとしました。

「無理に起こすと気持ちが悪くなる。でも、声はかけてあげて」

良かれと思って無理に上半身を起こしていたのですが、それは脳の血流を急激に下げてしまい、かえって頭痛や吐き気を引き起こしていたのです。

「起きなさい」ではなく、寄り添う方法

思えば、起きられないのに「起きなさい」と言うのは酷な話です。

何気なく使うこの言葉、普通の子どもにとっては合図ですが、起立性調節障害の子どもにとっては、不可能な命令。

そこで、私は娘自身に「何時に起きたいか」の目標を決めさせ、それに合わせて声をかけることにしました。

「7時だよ」「7時15分だよ」「7時半だよ」とただ時間を伝えるだけ。

または「起きる?」

それでも、すぐ起きられません。反応しないことがほとんどですが、わずかに指先を動かす。それが「起こして」のサイン。

 

起立性調節障害の子どもにとって、起きることは簡単なことではありません。

身体は動かないけれど、気持ちは起きようとしている、その瞬間を見極める忍耐と寛容が保護者には求められます。

保護者の心のケアも大切に

保護者もつらいでしょう。

「会社に行かないといけないのに、予定が困る」

「また、欠席の連絡を入れないといけない」

思い通りに進まないいらだち、どうしたらいいんだろうという先の見えない不安…

体調が悪い子どもの手前、弱音を吐けない苦しさもあると思います。
でも、保護者自身は平静でいることが必要です。
感情に支配されてしまうと、つい子どもにぶつけてストレスをかけてしまい、その影響でさらに体調が悪くなることもあります。

起立性調節障害の子どもの心と身体は、繊細につながっています。
「しょうがない。なるようにしかならない」

私もずっと、自分にそう言い聞かせていました。

でも我慢やあきらめ気分ばかりでは落ち込んでしまうから、友達と話したり、趣味を楽しんだり、美味しいものを食べたり…

「自分の楽しみを持つこと」も忘れないでください。

 

悩んでいるあなたへ

起立性調節障害の子どもにとって大切なのは、希望を持ち続けること。

「元気になったらこれをやりたい」

「将来のために、これやっておこう」

そんな気持ちを忘れずにいてほしい。

周囲の理解が得られず、つらいこともあるかもしれません。

でも、きっと良くなる。

未来の自分を信じて、今できることを探してみてください。

アイドルの押し活だって、やってみたかったギターを弾いてみるでもいい。

ペットに癒されるのもおススメ。特にわんこは寝ている子にそっと寄り添っていてくれます。

外に出られなくても楽しみを見つけて、前向きな自分でいられるよう心がけてください。

 

「起きなさい」って言わないで。

できないことを言わないで。

できない私の状況もわかって。

できない私も、愛してほしい。

 

そんな風に考えている子どもたち、そして毎日頑張っている保護者の皆さん。

少しでも心が軽くなるよう、願っています。