小学6年生の時に起立性調節障害と診断され、薬を服薬すれば良くなるだろうと思っていたが、1年近く飲んでも良くならない。
起立性調節障害は一般的には春から梅雨時期に症状が悪くなり、秋から冬に症状が軽くなるといわれているけれど、娘の場合は冬になるにつれ症状が重くなり、中1の年末に近づくと、さらに登校の回数が減ってきた。
「専門の病院で診てもらった方がいいかも…」
その道の権威である田中英高先生の「OD低血圧クリニック」で診てもらうことにした。
起立性調節障害と診断されてから、田中英高先生の著書『起立性調節障害の子どもの正しい理解と対応』や、『起立性調節障害の子どもの日常生活サポートブック』は、よく拝読させていただいていた。
新聞や、ニュースなどで病気のことは知っていたけれど、まさか自分の子どもがそうなるとは思わなかったから、どんな病気なのか、対処、どうサポートすべきか、いつ治るのか、ともかく情報が欲しかったのだ。
『起立性調節障害の子どもの正しい理解と対応』には、「事例」、「診断と治療法」、「周囲のサポート」の方法が記載されている。
「事例」を読むと起立性調節障害と一括りに言っても様々なケースがあるとわかり、「診断と治療法」は専門的な内容で理解は難しいが、「周囲のサポート」は、かなり具体的でわかりやすく記されており、とても参考になった。
「保護者の心構え」としては、先が見えない不安感で親子でイライラしてしまうと、治る病気もますます悪くなるので、「サポートの第一歩は心の平静を保つこと」だそう。
本当にそうだと思う。思いつめないよう、いつもそれを念頭に置いてサポートするようにしていた。
先の見えない不安は、正直とてもある。
けれど私が心配を外に出すと、娘はすぐ感じ取る子なので、よけいにつらくなるだろう。
「なるようにしかならない」
そう思って見守るようにしていた。
そして『起立性調節障害の子どもの日常生活サポートブック』には、高校の選択肢、症状別の進路実態調査など、進路の選び方が具体的に書かれている。
ちょうど、それまでは普通高校進学を考えていたけれど、中学1年の冬になり学校に行けない日が増え、「高校に行ける?」「行けても通えないのでは?」と不安になりだした頃だった。
紹介状を書いてもらい、血液検査をして「OD低血圧クリニック」に申し込む。
しかし、大変人気で春まで予約が取れないとのこと。
待つしかなかったけれど、良くならない現状に一筋の光が見えたような気持ちだった。
常に何かに希望を持っていないと、毎日が不安だったんだろう、きっと。