小学6年生で起立性調節障害と診断された娘も、中学3年生の11月を迎えていた。
高校の進路の目安に成績が使われる実力テストは、受験できなかった。
夕方まで体が動かない日が多く、週1回程度夕方みんなが下校したころ、プリントなどをもらいに学校に行くようになった。
登校時に気持ちが悪くなったり、「時間割の変更などがわからない」といったりするのも、不安を感じるという。
時間割の変更もそれまでは友達に聞いていたが、受験が間近になってきたし、聞いても結局行けないことが続くと、悪くて友達に聞きづらくなっていたようだった。
登校できない日が増えたのは、このような不安のせいもあるかと思い、先生に二つお願いすることにした。
一つ目は、携帯電話の所持、二つ目は、時間割に変更があった場合に先生から学校の連絡網で教えてもらうことだった。
携帯電話の所持については、特別な事情がある場合、親の同意があれば、学校の許可のもと、携帯が許可されるようになっている。
学年指導の先生と、担任、保護者、本人とで面談が行われ、登校時体調に不安があること、特に下校時に気分が悪くなることが多く、下校途中での所在確認に使いたい旨を伝え、校内では使用しないことを条件に許可してもらった。
結局、その後も登校日数は増えなかったが、下校時いつも帰れずに学校近くのベンチで佇んでいるので、携帯電話で連絡が取れることは、迎えに行く私にとっても安心材料になった。
学校に通えない中、本人も進路変更の決定をする。
高校生活をクラスメートと楽しみたい彼女は、その時点までは全日制高校を希望していた。
高校が楽しみで「絶対通いたい」という強い意欲が持てたら、2学期から体調が回復するのではと期待していたが良くならなかった。
このままでは高校に通うことも難しく、遅刻や欠席で出席日数が足りずに留年の危機が訪れるだろう。
田中英高先生の著書『起立性調節障害の子どもの日常生活サポートブック』には、中学3年の2学期後半~3学期にかけての出席割合での高校進学先の目安が書かれている。
半分以上出席できていない場合は、週2~3日午後から通える通信制高校など、ほとんど欠席の場合は、高校進学を遅らせた方が良いと書いてある。
娘は中学3年2学期後半の時点で、ほぼ通えていない状態だった。
だが、高校を遅らせるまではあきらめたくなかった。彼女は友達と高校生活を送るのを楽しみにしていたから。
取り急ぎ11月の週末は毎日オープンスクールに通い、通信制高校で検討しなおすことにした。