
起立性調節障害と診断されたご本人やご家族にとって、「この先どうなるんだろう」という漠然とした不安を抱えている方も多いのではないでしょうか?
進学や就職、日常生活の中で、体調とどう付き合っていけばいいのかーー私たちもずっと模索してきました。
我が家の娘も、小学6年生で起立性調節障害と診断され、中学校はほとんど通えない日々が続きました。
「いつか元気になれるのかな」「このトンネルから抜けられる日は来るのかな」と、親子で不安を抱えながら過ごしてきました。
この病気は「10人いれば10通りの症状がある」と言われるほど個人差が大きいもの。
だからこそ、誰かの経験が誰かの希望になるかもしれないー-そんな思いで、この記事を書いています。

高校修学旅行、3泊4日の挑戦
先日、娘が高校の修学旅行に参加しました。
夏休みは部活の合宿にも参加できていたので、きっと大丈夫だろうと思っていましたが、今回は3泊4日という長丁場。
中学校の修学旅行では、なんとか起き上がって集合時間に間に合ったものの、新幹線の中で気分が悪くなり、その後も熱や食欲不振で別行動が多く、帰りの解散後には緊張の糸が切れて立ち上がれないほどでした。
そんな苦い思い出があるからこそ、今回の修学旅行は本人もとても楽しみにしていました。
友達と過ごす時間が大好きな娘は、旅行中たくさんの思い出を作って帰ってきました。
最寄り駅まで迎えに行った時、車に乗った途端ぐったり。
「楽しかった?」と聞いても、目線で反応するものの、うなずくこともできない様子。
でもその表情には、満足感がにじんでいました。
翌朝、なんとか起きて食事をとったものの、その後は立ち上がれず、四つ這いで洗面所に向かおうとしてうつぶせで動けなくなりました。
1時間ほど自分と格闘した末、その日は学校を休むことに。
その後も4日間、体が思うように動かず、途中で熱も出ました。
インフルエンザではなかったものの、疲れが体調に出たようです。
でも、クリニックの先生からは「許容範囲だね。気力も体力もついてきたね」
と言っていただきました。
中学校の時には考えられなかったほど、修学旅行を楽しめたことー-それだけでも大きな成長です。
娘も、「めちゃくちゃ青春感じた!」と、笑顔で話してくれました。
全日型通信制高校という選択
改めて、修学旅行のある全日型の通信制高校に進学してよかったなと思います。
入学前は「毎日朝から通えるのかな」と心配していましたが、休みながらも登校を続けることで、少しずつ体力がついてきました。

1年生の時は出席時数が足りませんでしたが、欠課課題を出すことで進級もできました。
起立性調節障害があっても、高校生活を楽しみたいという娘の思いに寄り添える環境だったと思います。
体調と向き合いながら、毎日をがんばっている娘。その姿を、これからもずっと応援したいです。



